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ブーツ本来の魅力に「サカイ」らしさを調和 阿部千登勢が語る「アグ」との協業

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阿部千登勢:1999年に「サカイ」を設立。2009年春夏からメンズをスタートさせ、10年春夏からはウィメンズをパリで発表。17年春夏にはブランド初となるバッグコレクションもスタートした TALENT BY VICTOR DEMARCHELIER FOR SACAI
カリフォルニア発の「アグ(UGG)」がブランド設立40周年を記念し、国内外のさまざまなファッションブランドとコラボレーションしたクラシックブーツの発表を続けている。その一つが、阿部千登勢がデザイナーを務める「サカイ(SACAI)」だ。

両者の協業はこれが初めてで、1月にパリで発表した「サカイ」2018-19年秋冬メンズ・コレクションのランウエイでコラボブーツを披露。その直後からSNSを中心に、「アグ」のアイコニックなクラシックブーツはそのままに、「サカイ」のハイブリッドなデザイン美学を取り込んでいると話題になった。いったいどのようにデザインしたのかーー。阿部「サカイ」デザイナーに、協業を決めた理由から、洋服や他のシューズとのデザインプロセスの違いについてまでを語ってもらった。

キャンペーンビジュアルには、モデルのキャメロン・リード(左)と女性インフルエンサーのアレイリ・メイを起用し、フォトグラファーのロバート・ハマダがロサンゼルスで撮り下ろした

コラボレーションに至った経緯は?

「アグ」から話が来て、コラボレーションに至りました。はじめは「なぜ『サカイ』に?」と少し驚きましたが、世界中の誰もが知っていて、一度は履いたことがあるブランドだからこそ、面白いアイテムが一緒に作れるのではないかと思い挑戦しました。

「アグ」のブランドイメージは?それをどう解釈し、ブーツで表現した?

“「アグ」といえばこのブーツ”と言えるほど、クラシックを強く持っているブランド。ブーツが持つ本来の魅力に、崩しすぎずうまく調和する形で「サカイ」らしい要素を付け加えました。

もともとサーファーのためのブーツという「アグ」のオリジンは意識した?

サーファーというよりも、“人々の日常生活になじんでいる定番ブーツを、どうアップデートするか”ということを意識しました。

ベースのブーツに“CLASSIC MINI”と“CLASSIC SHORT”を選んだ理由は?

この2型が「アグ」の定番というイメージだったので選びました。


「サカイ」といえばハイブリッドだが。

「サカイ」のコレクションでも使用しているニット素材でソックスを表現し、「アグ」の定番ブーツに組み合わせました。全く別のものを組み合わせて、見たことあるようで見たことないものに生まれ変わらせるという意味で、「サカイ」ならではのハイブリッドを表現できたと思っています。

「サカイ」のコンセプト“日常の上に成り立つデザイン”と同じように、実用性などは意識した?

「アグ」のブーツは、履きやすさという高い実用性を持っています。そこに「サカイ」のハイブリッドを加えることで、これまで「アグ」を履かなかったようなシーンでも着用してもらえるよう意識しました。

服のデザインと比べて難しかった点は?

「アグ」のブーツをベースとしたことで、形はすでに決まっていました。いじれない部分があったから、デザインプロセスは洋服と異なりました。そこで、どうすれば「アグ」の魅力を損なわず、どのようなものをどのような形でハイブリッドにすることがベストかを試行錯誤した結果、デザインには1〜2カ月ほど要しました。

他のブランドとスニーカーやヒールを発表しているが、それらのシューズをデザインする時との違いは?

「サカイ」のコレクションや世界観にマッチするものという意味では、どれも共通しています。しかし同じシューズというカテゴリーでも、元になるものがそれぞれ違う形で、履かれるシーンも異なるので、考え方も必然的に異なりました。

コラボレーションする前と後で「アグ」のイメージは変わったか。また、コラボして実感した「アグ」の魅力とは?

コラボレーション前から今に至るまで、強いクラシックとオーセンティシティーの魅力を持つブランドだと感じています。